大判例

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東京高等裁判所 昭和36年(う)1666号 判決

被告人 岡村リン

〔抄 録〕

所論は要するに、原審は被告人に対するポリグラフ検査書を刑事訴訟法第三二八条により取調をしたがポリグラフ検査は現時の我が国においてはその科学的な正確性が一般的に承認されていないから、証拠能力に疑義あるものというべく、かかる書面は刑事訴訟法第三二八条によるといえどもこれを法廷に顕出することは違法であると主張するのである。

案ずるに原審が被告人に対するポリグラフ検査書を刑事訴訟法第三二八条により原審公判廷において取調をしたことは記録により明らかである。しかしながら、我が国におけるポリグラフ検査も、器具及び技術の向上により有罪意識の有無の判定につき相当の確率を示すものと認められるから、少くとも刑事訴訟法第三二八条のいわゆる反証としての証拠能力を有するものと解すべく、従つて原審が本件ポリグラフ検査書を同法条により法廷に顕出したことを不当とすることはできない。なお所論は刑事訴訟法第三二八条のいわゆる反証は自己矛盾の場合に限るというのであるが、採るを得ない。それゆえ論旨は理由がない。

(長谷川 白河 関)

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